最近、家の近所や観光地などで、2本のポールを使って歩いている人をみかけませんか?。それは、近年日本をはじめ世界的に普及が進んでいる「ノルディック・ウォーク(ノルディック・ウォーキング)」というスポーツ・歩行法です。普通のウォーキングに比べて身体への負担が少なく、無理なく続けられるほか、本格的なトレーニングとしても有効なのも、取り組む人が増えてきている要因の一つです。
手軽な健康維持法として広まるノルディック・ウォーク
ノルディック・ウォークは、2本のポールを持って行うウォーキングで、北欧フィンランドが発祥の地です。順位やタイムを競わない新しい発想のスポーツで、有酸素運動のため、生活習慣病予防に効果的です。もともとは、クロスカントリー選手たちが夏場のトレーニングのひとつとして行っていたようですが、近年ではその手軽さと運行効果が注目され、日本を含めた世界中で老若男女を問わず広がっています。
日本のウォーキング人口は4000万人とも言われてますが、ノルディック・ウォーク人口は20万人程度と言われています。フィンランドでは成人人口の20%にあたる82万人もの人がノルディック・ウォークを行っているのです。
ちなみに、フィンランドでは世界で最も早く高齢化が始まりました。日本のように医療制度が充実していなかったため、自分の健康は自分で管理しなければならなかったということもあり、手軽な健康維持法として広まったようです。
- こんな人におすすめ
- 散歩をしたいけど転倒しないか不安
- ウォーキングをしたいけどひざや腰に負担をかけられない
- 観光地や大自然の中を無理なく歩いて巡りたい
- 運動不足なので手軽なスポーツがしたい
- 姿勢矯正やダイエットを楽しみながらしたい
- 普通のウォーキングじゃ少し物足りない
ノルディック・ウォークの良いところ
普通のウォーキングより消費カロリーが20%アップ
ノルディック・ウォークは、手に持った2本のポールを使って歩くため、自然と上半身を使います。ウォーキングと比べて、心拍数が8~10拍アップ、酸素摂取量が約12%アップ、消費カロリーが約20%アップと、効率的な有酸素運動です。
全身の筋力アップ、引き締め効果も
ランニングやウォーキングは、下半身の筋肉が主体となる運動ですが、手に持った2本のポールを使うノルディック・ウォークは、上半身の筋肉も積極的に活用します。体の約90%の筋肉を使うため全身運動なので、筋肉を無理なく均等に強化・引き締めできるほか、首や肩の血行を促進させる効果も期待できます。身体のバランス性も向上します。
全身運動なのにひざ・腰への負担が少ない
手軽に楽しめるウォーキングも、やり方を間違えたり無理をすると脚や腰を痛めてしまいます。ポールを使うノルディック・ウォークなら四点歩行になるため、足腰への負担を軽減できます。ウォーキングと比べて、ひざ・腰にかかる負荷が一歩につき約5kg、全体で約3割程度軽減されるといわれている、身体にやさしいウォーキングです。
転倒を予防、坂道もらくらく
ノルディック・ウォークは2本のポールを使って歩くため、四点歩行になり安定性があがります。足腰が弱ってきたお年寄りはもちろん、ケガをしてリハビリに取り組んでいる方も安心してウォーキングができます。また、ポールで歩行をアシストするため、坂道も無理なく登ることができます。
姿勢が良くなりダイエット効果も
2本のポールを使って歩くと、自然と背筋が伸び歩幅が大きくなるので、きれいな姿勢で歩くことができます。きれいな姿勢を維持することで血行が良くなり、引き締め効果とあわせてダイエットにもつながります。
みんなで歩くと楽しい
1人でストイックに歩くのもいいですし、家族や仲間とみんなでゆるく楽しめるのもノルディック・ウォークの良いところです。例えば、観光地や大自然の中を歩いて巡るのも、ポールがあれば足腰への負担を減らしながら無理なくまわれます。
歩き方によって負荷がかわるウォーキングスタイル
ノルディック・ウォークは、ポールの使い方や歩幅など、ウォーキングスタイルによって体への負荷がかわります。なので、体力に自身がない人の軽い運動から、ハードなトレーニングをしたい人まで取り組めるスポーツです。
ディフェンシブスタイル
身体への負担を減らしながら、上半身を使うスタイルです。ポールを垂直に突くことで体のバランスが安定し、安全なウォーキングができ、無理をせずゆっくり歩くことができます。
足腰に痛みがある、体力に自信がない、無理なく続けられる運動をしたい人にオススメです。
アグレッシブスタイル
上半身を積極的に使い、高い運動効果のあるウォーキングスタイルです。ポールを斜めに突くことで推進力を増進させ、腕の振りや歩幅も大きく、スピード感があります。
筋肉に負荷をかけ運動をしていることを実感したい、体力強化としてハードにトレーニングしたい人にオススメです。
ポールの選び方
グリップ
ディフェンシブスタイルにおすすめなのが自然体グリップ。握ったときに手の形が自然になり、手首が疲れにくいのが特長です。手の甲をストラップで覆うので、握力が弱い方でもポールを落とすことなく安心して持つことができます。
アグレッシブスタイルにオススメなのが本格グリップ。クロスカントリースキーと同じグリップ形状で、ポールと手を一体化するストラップ機構によりアクティブな取り回しができます。
ポールのタイプ
ポールには、伸縮タイプと1本式タイプがあります。
伸縮タイプは、長さの調節が可能なので負荷量を調節したり、家族で共用することができます。また、3段伸縮タイプはコンパクトになるので持ち運びに便利で、旅先でのお供にぴったりです。
伸縮機構がない1本式タイプは、手の力を分散させることなく地面に伝えることができるため、本格的に歩きたい人にオススメです。
ポールの長さの選び方
ポールの長さの基本は、垂直に立った状態でひじを前方向に直角に曲げ、そこから拳を2cm程度下げた位置で握るのが標準目安です。それよりも拳の位置を高めにすると負荷が大きくなり、逆に低めにすると負荷が小さくなります。
もしくは、下の表を参考に、自分の身長と求める効果(負荷)を考えて選ぶのもよいでしょう。
上記の選び方は、あくまで目安です。実際にさわってみて、より快適に感じる長さを選んでください。あわやでは各事業所でポールを販売しており、実際に使ってみて感触を確かめていただくこともできます。
各事業所の場所などはこちら
もっと詳しく知りたい方は・・・
一般社団法人全日本ノルディック・ウォーク連盟 |
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http://www.nordic-walk.or.jp/ ノルディック・ウォークの普及振興を目指した全国規模の協会です。競技会や体験会、指導員養成講習会などを全国で行っています。 |
羽立工業株式会社のノルディック・ウォーク特集 |
http://www.hatachi.jp/life/walking/nordic/ ノルディック・ウォーク用ポールをはじめ、さまざまな「健康ライフ製品」のメーカー。連盟公認メーカーでもあり、健康推進のためノルディック・ウォークの普及に力を入れています。このサイトでは、ポールの選び方、握り方、歩き方などが詳しく説明されています。 |
羽立工業株式会社のショッピングサイト |
http://item.rakuten.co.jp/hatalabo/c/0000000140/ さまざまな種類のポールやアクセサリー、ウォーキングの際の便利グッズなどがオンライン通販で購入することができます。 |
ノルディック・ウォークで健康寿命延伸を!
あわやでは、ノルディック・ウォークで健康な人が増えると社会が豊かになると考え、イベントなどで体験会をひらくなど、普及に積極的に取り組んでいます。連盟主宰のインストラクター資格も3人が取得しています。
お子さんからお年寄りまで手軽に取り組めるノルディック・ウォークは、健康寿命の延伸が期待でき、私たちが目標にかかげる「自立した生活」にもつながります。ひいてはそれが、膨大な社会保障費の削減に貢献できるよう今後も積極的に取り組んで行きます。